最近の日本語の研究論文

ローカル・ナショナル・グローバルの相互関係 ―四竈兄弟と仙台地域の音楽文化を中心に  (“Between the Local, the National, and the Global: The Shikama Brothers and the Musical Culture of Sendai.” Ochanomizu University)。『比較日本学教育研究部門研究年報』、発行:お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所比較日本学教育研究部門。Comparative Japanese Studies Annual Bulletin Vol. 15 (March 2019): 11–20.  http://www.lib.ocha.ac.jp/oab/52hikakunihon03/2019-3-25.html

 明治維新や明治時代を充分理解するためには日本国だけ、あるいは、日本対西洋というbilateralなアプローチだけでは難しいと思われる。従って、この小論文では、明治文化をグローバル・ヒストリーの視点から検討しようとする。ここで考えるグローバル・ヒストリーとは、例えば地方の歴史(あるいはローカル・ヒストリー)を調べても、そのグローバル・コンテクスト、すなわちグローバルな歴史発展を参考にするのである。音楽の場合は、明治時代の西洋音楽の受容を西洋音楽のグローバリゼーションの一面として検討することである。ここでは、明治の音楽文化 を「地域/都市からみた文化形成」の上に、「世界から」という面も加えて、仙台出身の音楽の先駆者、四竈訥治と四竈仁爾の役割、そして四竈訥治の編集した『音楽雑誌』のローカルとナショナルを結ぶ役割などを論じて、西洋音楽の普及をふくめて音楽の発展に努めた地域の活躍者(local actors)の重要性を強調する。